英文編集に欠かせない必須アイテム

英文編集に欠かせない必須アイテム

翻訳者や英文編集者の間では、よく知られた存在なのですが、SWETという組織をご存じでしょうか。

正式名称は、Society of Writers, Editors, and Translators、つまり、英文ライターや英文編集者、日英翻訳者のグループで、その頭文字をとって、SWET(スウェット)と呼ばれています。これら出版に関係する専門家の間だけの情報交換にとどまらず、広く英文を扱う職業の人たち、たとえば、英語教師やデザイナー、コピーライターなどもメンバーとなっていて、メンバーの経験や専門知識を共有するのが、組織の目的となっています。

そのSWETがまとめた 『Japan Style Sheet』 と題する92ページの冊子には、日本の歴史や文化などに関して、英文で書くとき、また日本語から英語に翻訳するとき、あるいは出版物として編集するときのガイドラインが詳しく紹介してあります。2018年に新版(Third Edition)が出版されました。

この中には、日本語の名称をそのまま使用するときは、イタリック体で表記するとか、普通の人名については、西洋式にファーストネームを先に、ファミリーネームを後にするが、歴史的人物については、そのまま姓名の順に表記するほうがよいとか、また、外来語やカタカナ語をどう表記するとか、長母音をローマ字ではどう表記するとか、大文字・小文字の取り扱い方とか、いわゆるスタイル(英文表記法)に関する事柄が的確に説明されています。

したがって、日本を海外に紹介するための、いわば英文表記法バイブルとなっています。もちろん、あの 『Chicago Manual of Style』 とともに必携書として活用すれば、まさに「鬼に金棒」と言えるでしょう。